daydream
シンバ
大晦日に生まれた彼らの文明を 人類は世界の始まりだと信奉した。
学問によって切り刻まれた ちっぽけな歴史に 識者は壮大な未来を夢見た。
夢は続いた 幻はどこまでも広くて 霧がどこまで深くて
霧が晴れたころには 地球の受胎にまで 行き着いた
その頃には マクロな視点で佇むと 痛みは和らぐことを 彼らは発見した。
*
手と手を繋いで 輪になって 敷地をはみ出したところは 切って小さく輪になって
角張ったところは 離して繋いで 輪になって
丸を目指して 形を整えたら 歪な輪のおとなりさんとご一緒に
古いのと新しいのをとっかえて 切って離して 繋いで繋いで輪になって
もっと! もっと! もっと大きく!
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見てごらん 痛みからの逃避が 地球を覆っていくよ
童謡が 風に乗って 大陸を渡っていくよ
今度は 宇宙の果てを 目指しているよ
いつまでも 続くと 信じて
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父親の子守唄に 子供はとうとう寝付いてしまった
そのくせっ毛を梳きながら 父は静かにつぶやいた
今の間に いい夢を見るんだよ
いずれお前に訪れよう 四六時中 光も音もない 終わりのない夢が。