シークレット
寿

よぎっていく

いくつかの名前に戸惑いながら


アンドロメダ星雲はどこかな、と指先でさがす



大丈夫だよと言ってもらいたくて
わざと鍵を失くしたこともあったと思う

そういう弱い部分なら、鏡にだって映ってる



確信があったのに信じてあげられなかったこと

見えないものにすべてを託してしまったこと

結果は目に見えていたのに
それでもまだ、忘れられなくて困っている


そうだ

そうだ

涙が出るくらい、抱きしめてあげればよかったのに

星の終わりかもしれないけれど

別の宇宙の始まりだったかもしれないのに


そこでまた、新しい種を植えて

手と手を合わせてお祈りをする

今度は花が咲きますようにと



重力はいつだって叫んでる


待ってくれ!

俺はここだ!

なぜ連れて行ってくれない?

生まれた場所は!
生まれた場所は!

全てを愛しているんじゃないのか・・・



そして誰かは思っている


なぜ聞いてくれない?
なぜ届かない?

諦めたことなど一度もない

私はこんなに叫んでいるのに




アンドロメダ星雲が拡大していく

光をどんどん追い越して


星の生まれが幸せなものであればいい
不幸な星などないと知ればいい


そうしたら、もう少し笑えるかもしれない
音楽が聴きたくなるかもしれない

歌いたくなるかもしれない

解放された熱量がいのちの中を巡っていくから


一瞬のうちに明日を想う

少し休んでもいい
歩きたいなら歩けばいい


好きにやろう

明日目が覚めたら

今度は朝の光を見るのだ


Life is short.

知る由もないなら
知らなくていい


アンドロメダ星雲の秘密を

ひとつひとつ

忘れながら






自由詩 シークレット Copyright 寿 2012-06-15 23:41:00
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