人よ一夜と洒落頭
faik

アングラな思想に
陰雨は益々逆上し
渦巻く不条理と
液状化する倫理の狭間を
横行していく出任せの正義

快楽の行く末は
琴線に触れもせず
狂い咲く恥じらいと
計算された愛憎を武器に
媚びを売り歩く春色の少女

歳月に値する咎は
恣意的な殺戮
数日後の虚脱感は
青春のトラップ
そうこうする間にも夜は遡る

立ち籠める険呑
畜生道をふと考えるも
つまるとこ無難な毎日で
適当にあつらえた
透写の幸福に虎落りよがり這い回る朝

泣きっ面を蜂が刺し
肉感的に魔が差し
塗りたくる白濁と汚濁
念願叶うも心安らぐことはなく
能ある鷹のふりをして又、嘘を越える

腫れ物をつつくような
表現じゃもう限界だ
振り絞る滴、振り翳す防衛
屁理屈御託を筆先に乗せ
方向性を失くした自称詩人

まだ書こうっていうのかい
惨めなもんだよ本当に
無謀というより悪あがき
迷宮入りの一筆書き
もうよしなさい、よしなさいって

やなこった
言わんこっちゃない
よくもまあ、こんなとこまで


楽観主義者で
理論武装
ルール違反の
霊長類
ろくに歩きもしない儘




ん と吠える、莫迦ひとり。


自由詩 人よ一夜と洒落頭 Copyright faik 2012-06-15 19:58:10
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