【 プラスチックな夜 】
泡沫恋歌

汚れちまった悲しみに……
中也の悲しみは
なんだったんだろう?

彼は孤独人
人を欲っしながら
人を拒絶していた

誰にも理解されない
運命を受け入れた
その引き換えに
神から創作の種を与えられた

深層に潜む
妄想の中の わたしに会いに行く
彼女はいつも
泣いてる! 叫んでる! 怒っている!

解放されない言葉は 澱のように淀んで
寸断された思考は 赤く錆びていく

優しさなんか もういらない!
生きる方法より 楽な死に方を
激しい感情の起伏に疲れ果て
蓑虫みたいに 殻に閉じ篭る

灰色の孤独が骨に 
染み込んで
神経を腐蝕させいく……

プラスチックな夜
干乾びた魂が震えだす
無機質な抱擁で どうか包みこんで!






自由詩 【 プラスチックな夜 】 Copyright 泡沫恋歌 2012-06-15 13:56:54
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