プリズム
石瀬琳々

雨、雨、雨、やさしく閉じて透き通る春の惑いの Aquarium の


ふるえては芽生えるおもいこの胸のうすきガラスを風のララバイ


よんでいる心を奪い冬の鳥はるか Голос 遠くへどこか


空高くウインドベル鳴りやまず花揺れ惑う風の逃走


胸に寄す波打ち際のボトルメール言葉きらめきあふれだす海


舟はゆく水面みなもをすべる花明かりまして逢瀬は夢の中まで


陽が射せば若葉したたり誘う窓おさない夢よまたよみがえる


空映すグラスに匂うこのあした水のようにか澄みゆくこころ


あれはひかりあれは虹、涙をふいて君のひとみにゆれるプリズム




短歌 プリズム Copyright 石瀬琳々 2012-06-14 13:49:31
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薊道