時間と星
ドクダミ五十号

バカですが
時間に付いて
考えました

「今何時」
時計を見ます
「十時十分だよ」
答えます

でもね
嘘さ
私であれ
君であれ

見る
時計を
倒立した像を
写した網膜を
正像とし
認識するに
時間的に過去を
「現在」とした

だから嘘
我々は時間の認識を
それぞれぞれの
認識で認識している
おおよそは認識は
「過去」を云う

我々は常に過去から
現在に向けての
極めて短い瞬間を生きている

相対的な時間
それが全て
「絶対時間」はありません
君が二人居て
全く同じ懐中時計を持って
一人が早く
そして重力を離れ
決められた時間に時計を確認
一人は普通の地面に縛られ
けれども時間を確認

観測者は同一
時計も同じ

さてと

二人はその環境の中間で会う
同じはずの時計の異差に驚く
君も僕も同じ人
時計も
相対性に気づく

同じ二人でさえ
そう

では認識に異差のある他人の
時間認識が
例えば狂いの無い時計の
示す時間が正確で
「絶対」と言えるでしょうか

いいえ



とりあえず先
つまり
我々は宇宙を+方向にしか
進めません

仮に
反作用と云うか
双子の片割れと呼ぶか
ーな方向に進む世界があるとしても

我々は認識的に少し前の時間に生きている
常に熱力学の第二法則の示す様に
混沌に向けて

絶対はありえない
己れが絶対と言う舌の先が
捉える味覚は常に極端であるのだ

では
この宇宙に於ける反物質の量の不均整は
それは「認識」の不確かさだと思うよ
観測者は常に「観測した時の事のみを知る」

絶対を求める故に陥るジレンマだ

尺度の違いを
感覚の違いを
越える物があるのか?



私は一人の観測者
視点は一定では無い
対象物を見るまで
わからんちん

貴方は解るらしい
おかしな事に

そうして固く硬度を保ち
凝集し
圧縮し
冷めて
暗く

私は旅する
膨張し
収縮し
中心に柔らかを保ち

絶対と固さと冷たさの女王星へ

相対と柔らかといくらか暖かい貧民星より


自由詩 時間と星 Copyright ドクダミ五十号 2012-06-14 02:39:56
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