草野春心



  透明な
  大きい壷の中を
  一匹の蟹が歩いてゆく
  のすり、
  のすりと
  青空の注ぐ光に
  気難しげに傾きながら
  そして
  太陽が地を耕し
  若葉色の農夫は今、
  棺の中で眼を開けた





自由詩Copyright 草野春心 2012-06-13 20:27:11
notebook Home 戻る