平坦な夜を明(空)かして
yuugao

子供のリュックサックの側の付近では
いつもの均等で均一な空気が
なんとなく急かされているように見えて・・・。

真っ黄色に染め上げられたリュックが
強い昼の日差しを受けて
何かのキャラクターみたいに動いていた。

私がそれに夢中になると
思いのほか注意が散漫になってしまい
未だトゲトゲしいままの生の角材に
私の素手が頼ってしまっていた。

普段の私なら
軍手も無しに触りはしない。

どういう訳か少しだけ期待感を持ちつつ
そっと手のひらを開けてみた。
やはりトゲ状の木屑がまばらに残っている。
そのうちの何本かは手を軽く振るだけで
あっという間に落ちていった。

そのうち残った何本かと
そのうち諦める(手を振っただけでは落ちない)だろう
というところの私の考えが
ほんの僅かな間、その場の空気を
止めているような気がした。

リュックサックにあれだけ急かされていたのだから
ちょっと私が止めたくらいが
たぶん丁度いいはずだ。

そんなことより
私の手が未だ「手のひら」のままだった
はやく残ったトゲを抜かなくては

でもこれだと
何が何で急かされているのか
全然(前々)わからなくなってしまった・・・。


自由詩 平坦な夜を明(空)かして Copyright yuugao 2012-06-08 21:15:45
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