まずめどき
草野大悟
さくら色の
朝まずめに
わたしは
やたらおおきな
あなたを
釣りあげたわ
あなたを
狙ってたわけじゃないけど
ビギナーズ ラック??
ラックはアンラックって
そのとき海はいってたけど
わたしの耳には
とどかなかった
ヴァーミリオンに海がかがやく
夕まずめに
おれは
ちっちゃな ちっちゃな
いばりんぼうのきみを
釣りあげた
きみを/何十年も/狙って
ようやく/////
風がバンザイしてた
きみが 釣りあげた
あなた
と
おれが 釣りあげた
きみ
とで
このまま くらそうか
空で?
それとも海?
風?
(森、山?
それとも街?
ちっちゃなきみは
おっきな瞳を
まっすぐおれに向けて
まずめ の 声を はやく聴かせてよ
あのときの雪のようにネ
教会の鐘をきいたあの夜の雪のようにネ
いつも そう ささやきながら
あのころも いまも そして これからも ずっと
まずめ の ミストを 魔法のように
漂わせるのだろうか