ことづて
もっぷ

まだ続く冬の路
の途上にて
たずねれば
あなたはそのままに
墓標が伝える
笑顔
この冷たさに
凍えもせずに
思い悩んでいる
わたしあて
何かを
言いたそうに
視得るのは
ただの感傷
自ら懐いてしまう
もの
、あなたはなんて
ほがらかに
その石造りに
たたずんだまま
いられるのだろう
用意した
花を忘れたわたし
を咎めもせずに
淡淡
道を語るのは
あなた在りし日の
まぼろしで
冬風の戯れ
でしか
ない
ことなのに
信じたくて
信じたくて
あなたからのことづてと
信じたくて
耳を傾けてしまう
そんなわたしです
まだ続く
冬の路の途上にて


自由詩 ことづて Copyright もっぷ 2012-06-06 17:28:41
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