意味のない日々に関して
無限上昇のカノン

私の日常は 多分 あなたの日常とは違って
暮らしの大半は 日の当たらない部屋で
オンとオフの境目も曖昧なまま
鈍麻した感情を 刺激することもなく
何となく過ぎていくだけ

会話すらしない日常が当たり前で
自由とは言い難い運動機能と 交流を拒否した精神が
辛うじてバランスを取っている

世間には 私以上に追い詰められた人々が溢れ
私は甘ったれた自分を断罪したくなるんだ

アズラエルはイスラム教の死の天使で
サマエルは堕天使だと呼ばれるけれど
禍々しい名前の天使たちが アサシンさながらに飛び交い
選ばれた魂は 裁きの場に引きずり出されて
永遠の仔羊の判決を待つだけ

医学は予想を超えて進歩し 死すべき魂さえこの世に縛り続ける
もはや 自殺は罪とは言えず
生きることが 罪とされる

私の日常は 命と隣り合わせで
病死と自殺さえが曖昧
天使が慈悲深く 迎えに来ることを夢見て
殺伐とした今日を過ごしているだけ

あなたの日常のように コミュニティーを作ることもなく
挨拶を交わすこともない
石で打ち殺されても おかしくはない 私の日々は
不穏な空気だけが蓄積されて
疲弊した魂が無言の不満を投げかけてくる

気分転換の方法さえ忘れた 私の日常は
アルコホルでは誤魔化せない 怒りと矛盾を感じている
私はピリオドを打つため 立ち上がるけれど
あなたの日常には 何の影響もない

狂人の戯言に 耳を傾けるほど
愚かなことはないのだから




自由詩 意味のない日々に関して Copyright 無限上昇のカノン 2012-06-04 17:26:19
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