わずらった〈ち〉
阿ト理恵

スピード感を着た〈ち〉 は
ねずみの時間を生きているようだ

暇は肩身が狭い

電脳空間で
ヒマをマヒされられた〈ち〉は
走り続けて
衝突することで終える彗星のように
終わりに向けて
記憶を更新する
3秒前の記憶は
すでにわずらっており
つまらないものですと云って
渡すものは
パイプクリーナー
濁った〈ち〉を詰まらせないように






自由詩 わずらった〈ち〉 Copyright 阿ト理恵 2012-06-04 15:23:27
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