ジャングル大帝
……とある蛙

暗い森の木の根元の茂みの中
闇に光る二つの目
光の反転した森の風景の中
鹿が逃げようとするが
矢庭に飛びかかる黒い大きな影

まず獲物の内蔵を喰らう
黄緑色の内蔵を喰らう
赤い筋肉を食いちぎり引っ張り
咀嚼することなく嚥下する
最後は骨にこびり付いた周りの肉を
卸し金のような舌で
シャブリ尽くす。

虎は毅然とまた悠々として森林を睥睨する。
彼はアジアの食物連鎖の頂点にいる
そうだ!王者なのだ

虎ははっきりとした縞模様を持ち
その鳴声は咆哮というに然く
辺り一面の空気を振動させる
王者なのだ。

ライオンというインチキな鬣を持った
百獣の王は
女房に頭の上がらない腰抜けで
生殖しか能のない腑抜けなチャラ男だ。
しかもハイエナから獲物を掠め取る強盗団のボスだ
ライオンは百獣の王では決してない。
その鬣だけで百獣の王になった。

なんとライオンはジャングルに
足を踏み入れない臆病者なのに
ごく少数、ジャングルや茂みに棲む
??ジャングル大帝だ

ライオンの小汚い茶色の毛並み
しかし、虎の毛皮は美しい
黄金色と黒のコントラスト
正に百獣の王に相応しい

虎は今日もまた毅然と
悠々として森林を睥睨する。
彼はアジアの食物連鎖の頂点にいる
そうだ!王者なのだ



自由詩 ジャングル大帝 Copyright ……とある蛙 2012-06-04 11:40:05
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