カメラ
HAL
ぼくは何処にいくにも
カメラは持っていかない
どうしても映しておきたいなら
眼をレンズにして心のシャッターを切る
もしそれがいつか忘れるものなら
撮る価値のなかったものだと云うこと
本当に記憶に残るものだけが
心に定着する本質があるもの
カメラで対象を撮る行為は
実はその時 対象を視てはいない
対象を肉視してはいないのだ
対象を視たと想っているだけだ
またカメラには音も風も匂いも
一切 映すことはできない
最近 暫々レストランなどで
オーダーした料理を映すものがいるが
それは礼儀作法を知らない無恥が
そうさせるものだとはまず分かっていない
ブログに載せるためとかの
詭弁とも想える言い訳を多く聞くが
これは馬鹿に便利なものをもたせると
碌な遣い方をしないと言う真理の典型
さらにそれはとても恥ずかしい行為だと
ほとんどのものは気づいていない
それは自分の記憶力を自ら破棄するものだと
だれひとりとして分かったいるものはいない