あまがみ
nonya
あまぐも
が
垂れ下がる昼下がり
うっかり爪を引っかけたら
鈍痛を引き寄せてしまいそうな
空
あまがさ
の
濡れた匂いは嫌い
美味しくない想い出と憂鬱が
しつこく纏いついて嫌になる
ヒゲ
あまおと
は
三角耳を責めたてる
マイペースという名の我儘を
許してしまう君のとっておきの
孤独
あまやどり
を
したことなんてあったっけ?
尻尾で返事はするけれど
君がつけた僕の名前は淋しさの
句読点
あまがみ
が
したくてしたくてたまらない!
湿った音符を猫背に貼りつけたまま
ちっとも踊ってくれない君の
爪先
を
あまがみ