Secret Cave
南 さやか

仮面を外すと 崩れ落ちそうな私がいた
いっそ 先に堕ちてしまえば 楽になれる
だけどもっとその先の苦痛へと 私は
容赦なく踏み込んで行く

快楽と解放の匂いが立ち込める
かすかに射し込む光は
別世界の安らぎで潤んでいた
 その 甘い幻覚の中で
 昨日のまま 昂ぶるあなたの肩を掴んだ


何かが起きるなら きっと今…
そっと 利き手をあなたに預けた

時が急速に凍てつく闇
フリーズする過去と未来の 狭間の私を
抱きしめて

厚く心に張り巡る思い出を
あなたの 渇いた唇が掻きむしる時
私の中に花が咲き乱れ 痛みと春が訪れる

その一瞬に 全てを賭けてみる



自由詩 Secret Cave Copyright 南 さやか 2012-06-02 15:54:51
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