関係について
邦秋

関係について


一、自分について

自分が生まれるずっと前から
「自分を間接取り巻く関係」は生まれている

あらゆる可能性を秘めたこの身体も
この関係が、とある行動を禁じていく

関係とはつまり、透明な制限装置である

自分が生まれた瞬間に
「自分を直接取り巻く関係」も同じく生まれた

あらゆる可能性を秘めたこの頭と口も
これらの関係が、とある言動を禁じていく

関係とはつまり、透明な制限装置である



二、命を持ったリボンについて

二本のリボンは、結ばれあったその日に
共に結ばれ続けていく関係を生み出した

結び目の窮屈さや座標のずれが生じても
関係が、第三のリボンとの繋がりを禁じている

関係とはつまり、透明な制限装置であり
関係とはつまり、冷たく透明な鎖である


いつか未来、片方のリボンが緩急つけて、
綻び、風吹き、空を舞い、
巡り逢い、結ばれて、喜べば、

関係とはつまり幸せの縄張りとなり
制限とはつまり喜びの束縛となるだろう


自由詩 関係について Copyright 邦秋 2012-06-02 15:11:55
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