枯れかけヶ丘
komasen333
想像以上の心地よさ
抜け切ることも逃げ出すことも
叶わぬまま綴っています
そんな風にいつまでも
いられると思ってはいないけど
どこかで願ってしまっている
自分がいるのも事実
枯れかけた花を摘みにいった
季節の境目の夕方
あの頃やあの人の記憶が
鮮明な町にまで
わざわざお洒落をして
わざわざコンタクトして
わざわざメイクして
わざわざ行って
わざわざ人目を避けて
わざわざ感傷的になって
わざわざ枯れた花ばかりを摘んできた
そしたら次第に此処落ち着いていった
必要以上に
乱れていたはずの最近が嘘のように
そんな風にならないこと
そんな風になるはずのないこと
知っていたのに
ときに過ぎる
ノスタルジア跳ね除けようとするがあまり
試しにと画策した
今回のセンチメンタルな遠出
結果、何も変わりませんでした
結果、心象も変わりませんでした
あの頃の風景が
ちょっと変化しているくらいでした
肝心な場所は
何一つ変わらないままでした
モノクロもセピアも緩みませんでした
摘むなんて皆無でした
千切っては投げて
千切っては投げて ばかりいました
千切っては踏みつけて
千切っては踏みつけて ばかりいました
それで何かが
変わるはずもありませんでした
それで何かが
忘れられるはずもありませんでした
次の季節を告げる風が
かすかに吹き始めていました
誘われるように
次の季節の花々が
しれっと揺れ始めているばかりでした