岩手の湯
生田 稔

岩手の湯

やまぼうし白き花つけすっくりと木々のまにまに立ちおりにけり

ソロモンの詠い残せし雅歌なども思い出づる朝のしじまに

もの音も何もせぬ朝一人して歌を詠みたり窓辺に坐して

ひめかゆという温泉に宿泊し胆沢の里の日は終わりけり

歌作る折りは私的に似つかわし次々に詠むにふさわし

六畳の部屋はかなりに狭かりき夕食を待つ夕のすぎゆく

一夜明け皐月のつきは過ぎゆく日朝のしじまに一人座す

薄青き空は広がり川の音せせらぎの流れに耳をそばだつ

そよと風窓辺の木々を揺らしおり今日の一日如何にすごさむ

光映ゆ山の背の緑鮮やかに心にしみて健康に良し



短歌 岩手の湯 Copyright 生田 稔 2012-06-02 12:21:32
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