偲ばれる墓標
もっぷ

白菊の歌声が
偲ぶあなたの
墓標前にて
一人雨に
濡れながら
西脇の詩集を
繰ってみる

詩のまことが
こぼれますように


紅の傘は
忘れられて
かなしく倒れて
朽ちてしまいたいと
言っている

雨ならまるで
永遠を知っているかの
ように
ひたすらに
続いてゆく

まるでわたしの
やまないなみだの
藍のように

銀のように


自由詩 偲ばれる墓標 Copyright もっぷ 2012-06-01 16:15:34
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