待ち合わせ
南 さやか


どれだけ時が過ぎただろう
手を繋ぎ 押し黙ったままの二人の上を…
 水の中の寝室みたいに
 あまりに静かで 目が醒めた

風が紡ぐ詩には 節があって
伝えられない言葉はいくつもいくつも
空で生まれて 消えて行く

"好き?"と聞くにはタイミングが遅すぎた
この体で出来ることなど もう
ひとつも残されていない
 私たちには…

だから 未来の待ち合わせ場所を決めておいて
ほんとうによかった


どれだけ時が過ぎただろう
体を流れる透明な汐を伝い
あなたと溶け合う 夢の狭間

ひと足先に目覚めたから
先に来て あなたを待っている
ふーっと息を吹き返すあなたが
最初に出会う人が 私であるように




自由詩 待ち合わせ Copyright 南 さやか 2012-05-31 13:48:25
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