もっぷ

空におおきな黒い鴉
歌ってもたずねられることなく
招かれることもなく
いつしか
無表情になったまなざしで
人を視ている
飛翔しても舞っている
とは言われない
かなしい翼は
だけど知っている
空を
人よりも広やかに
鷹ではない
雲雀でもない
だけど同じく知っている
餌がいけなかっただけ
荒らすから、
と人に隠され
それでも空を飛びたいと
翼が願ってやまないから
どこかの不始末を探しめぐる
、在る
その意味を
きっと問いながら
自らの色を嘆いているのか
それとも誇っているのか
わたしにはわからないけれど
食べることの理由を大切に
ひたすらのように思われて仕方がない
わたしの頭上で
きょうも
彼らは人を視ている


自由詩Copyright もっぷ 2012-05-31 13:14:13
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