近況報告
涙(ルイ)

今日も何もできませんでした
昨夜の天気予報
朝から雨の予報は大きく外れ
嫌味なほどの上天気


やらなきゃならないことは沢山
かごいっぱいの洗濯物
燃えないゴミの日
昨夜食べた焼きそば
シンクの中で溺死しかけてる食器たち
はがれるように落ちた残念色の深いため息


     こんないい天気に洗濯もしないで
     ゴロゴロ寝てばかりいないでさっさと仕事でも見つけにいけ
     なに、病気だあ? 
     精神病だあ?
     そんなのは余裕のある人間のかかる病気だ
     怠けてるからかかる病気だ
     貸した金返せ
     いますぐ返せ
     耳揃えて返せ
     ないならサラ金から借りてでも払え
     それで困ろうが何しようがお前が悪いせいだ
     お前みたいな奴はホームレスにでもなっちまえばいい
     シアワセになるのなんて許さない
     一生不幸になればいい
     私以上に苦しめばいい
     私以上に辛苦を味わえ
     まだ私を苦しめるつもりか
     そういうところはばばあにそっくりだよ
     あの親父にそっくりだ
     何しに生きてんだ?
     消えちまえ
     私の前から消えろ
     死んじまえ馬鹿
     お前みたいなダメ人間 雇ってくれるところなんかあるもんか
     死んじまえ
       死んじまえ
         死んじまえ
           死んじまえ



忘れられると思っていたのです
母から遠く離れてしまえば
暴言の届かないところまでくれば
平穏な生活を送れると
そう 思っていたのです


だけど ダメですね
簡単には忘れさせてはくれないみたいです
毎晩のようにうなされて
目覚めた朝は決まって無気力で



今日も何もできませんでした
24時間分のダメ具合が
意味もなくいたずらに上乗せされるばかりです


どうしてこんなにも
心が卑屈になってしまうのでしょうか
いつまで縛られ続ければいいのでしょうか
私の何がいけなかったのでしょうか
私はただ話を聞いてあげてただけなのに
理解したいと思っていただけなのに
一体私の どこに間違いがあったというのでしょうか


平穏な日々が続けば続くほど
言いようのない罪悪感と後ろめたさばかりが募るのです
自分を責めることでしか
生きてることを確認できないのです
心が浮かれそうになると
決まって手ひどい痛手を受けることを憶えてきてしまったから
何事もすぐにあきらめるクセがついてしまいました
こんな自分 ほとほと愛想がつきました
あんな家系の血が流れているかと思うだけで吐き気が致します
いっそのこと 何もかも終わりにしてしまいましょうか
いつかすべてに嫌気がさしたときにと
用意していたロープがあるのです
それとも 抗精神薬を一気に飲んでしまいましょうか
どの道 望まれずに生まれてしまった命だもの
消えたところで誰も惜しみもしないでしょう


だけど たとえクスリを100錠以上飲んだところで
せいぜい1日2日気を失ってるだけで
それ以上のことは特になにも起きないことはすでに経験済みだし
首吊りなんて 死後がひどく汚いって話だし
第一 掃除もしてない部屋で
かごにあふれんばかりの洗濯物と
汚れた洗い物だらけのまんま死ぬなんていやだし
出来ればちゃんときれいにしてから逝きたいし
なんだかんだ云っても
結局はおっかなくてとてもじゃないけどできそうにないし



何も今日に洗濯できなかったからって
一生洗濯できないってわけでもないんだし
ごみ出し出来なかったからとて
燃えないごみの日は来週も同じようにやってくる
洗い物だって洗剤入れてつけておけば
汚れも落ちるし 何の問題もないじゃない



いまはその 云ってみればそう
ハーフタイムに入ったところなんだわきっと


必要な水分を補給したり
乱れた呼吸を整えたり
前半戦の反省と後半戦の戦略を練るために必要な時間なのよ


まだなにも終わっちゃいない
勝負はこれから


人生ってのはね
後半戦のほうがずっとずっと
面白いものなのよ


ずっと
ずぅ〜っとね



自由詩 近況報告 Copyright 涙(ルイ) 2012-05-31 02:23:55
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