移ろいの容器
海里

百合が
その体を天に向けて開いている
掃き溜めのスターゲイザー

星の見えない夜には
星たちのことを話して過ごします
星の見える夜には星を見ているからね

時刻は
トッケイ時計が告げる
手のひらがボクの天象儀

木星バウムクーヘンは一個ずつ
ぱくりとね、ひとくちでね
衝突しない銀河なんて嘘の天の川さ
またたきとまばたきのシンチレーション

ほら、ユニコーンのひざもとから
薔薇衣通姫ばらそとおりひめ
透き通る真紅の袖を振っている
茜さす野守は見ずや

石に詩があるように星にも詩がある
つまりポエジー・ノワールっていうわけ


自由詩 移ろいの容器 Copyright 海里 2012-05-30 22:25:11
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