空殻
松本 卓也
終わりを迎える平均から
半分を割って有余年足して
もう十数年同じを繰り返し
振り返ればガキの頃と大差ない
誰かに擦り付けながら甘えて暮らす
危機感に目を瞑り投影しながら
今日を酒と言い訳で覆い隠す
分かってくれやしないんじゃなくて
分かってもらう努力をかなぐり捨て
分かっちゃいるけど止められないでいる
もう幅や奥行きは殆ど残されちゃいない
現実、現世、未来と明日、十年後
例えば四十になった時のこと思い浮かべ
どこまで押えつけ包み隠しごまかして
いつまでそのままでいようと足掻けるか
積み重ねたつもりでいたんだけれど
その実何も生み出せないまま居たりして
何から無くし押えつけ口ごもり
後悔や言い知れぬ劣等感に苛まれ
逃げ込んだ殻の中に微かに鈍く淀んでる
敢えて名前を付けるとしたら