人間
yamadahifumi

さようなら 言葉の群れ
今、人間達がどんなに正しかろうとも 僕は
一匹の子犬の渇きを選ぶ
そして君の渇きを
君が飢えて舌を出すその様を

僕を殺してみたまえ・・・血が流れ出るだろう
君自身を刺してみたまえ 君の身体からは言葉が流れ出て
大河となってこの世を覆うだろう・・・
君は人間ではないのだ
「俺は(私は)人間だ!」・・・と叫んだあの日から

人間なら
飢えてみたまえ
渇いてみたまえ
一度でいいから本物の飢えを体験してみまえ
即ち、君の世界観は変わるだろう
君自身を殺した一匹の虎の
渇いた舌のように・・・君も飢えるだろう
一匹の獣となって、君は滑らかに夏草の上を這い
その時、君は初めてこの世の星座を目撃する

昔から君は一匹の獣だった
ただ一時、人間という名の獣より一段劣った
神に似せられて作られた蛆虫に身を落としただけの


自由詩 人間 Copyright yamadahifumi 2012-05-29 18:15:05
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