理由
もっぷ

こころの湖水のさざなみは
初夏待ちきれない薫風のせい
桜花に戯れその帰り道
きまぐれ薫風ちょっと淋しい

あっちにもこっちにも仲の良い
二人の姿を見るたびに
桜花はどんどん散らされる
薫風がいじけて散らしてく

一人のこどもが声かけた
風さん風さんなぜ薫る?
どんなお香を抱いて寝た?

一人のこどもに応えてみる
冬の弔いの名残りなんだ
これは白煙抱いた痕

こころの川面のにびの色
街に染まった薫風が
運び運んだ空の色
いたずらが好きな薫風らしい

空がそれ見てかなしんだ
私をそっとしておいて
薫風ふいに思い出す
そうだ初夏にはまだ早い

そうだ舞台はまだだった

薫風は
きょうも
ちょっと、

淋しい…


自由詩 理由 Copyright もっぷ 2012-05-29 16:04:57
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