睦む
南 さやか
世界に闇がおとずれる時
私たちは手を取り合う
この静寂に渦巻く憎悪やかなしみを
ひとつ残らず土に戻して芽吹かせようと
互いの体に夢を貫く
時が止まり 呼吸が終わる
長い月日が過ぎて 目覚めたら
寿命をとっくに越えていた
ふたり 心を繋いだままの永遠
その上を過去と未来が交差する
幾つもの新しい命が
伸びきる前の小さな緑を食んでいる
世界に闇がおとずれる時
私たちは光になった
自由詩
睦む
Copyright
南 さやか
2012-05-29 11:38:57