浪人探偵団
吉岡ペペロ

予備校にはリフレッシュにとテニスコートがあった

そこで僕らはほぼ一日中ダブルスをした

コートの周りの新緑は日々その影を濃くしていった

予備校に似つかわしくない汗まみれの僕ら

6月に入ると日焼けして浮いた存在になっていた

プレー中声をあげてると怒られた

だからボールを叩く音だけがこだましていた

テニスコート脇の木陰には枇杷の木があった

勝手にとっては口に入れた

固形のフルーツ牛乳みたいな美味しさに飛んだ

いくらなんでもとりすぎだと学園長に怒鳴られた夜

クチナシの白粉の薫が漂っていた

その夜闇は深くて僕らは探偵だった

誰がなにをしたというのだろう

あの夜だ

僕らが浪人探偵団となったのは










自由詩 浪人探偵団 Copyright 吉岡ペペロ 2012-05-28 22:53:37
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