こころの物心
yuugao
掃除をしてくれている人がいなくなった頃に
もう一度、あの人に逢いたい。
僕も一度は句読点と
さよならしたいと思ったことがあったけど
でも結局、駄目だった。
帰ってくる(べき)場所に
何のためらいも無く帰ってくることが
こんなにも憎らしく
そして、こんなにも安らかな事だとは知らなかったんだ。
昔はみんな
何かを拾うことに夢中で
自分が何かに変わっていくということには
少しも気付け(か)なかった。
みんな一緒になってバラバラになるときは
みんな一度は「一緒」を忘れるけれど
だけどそのあとに、やっぱりみんな
今度はみんな"で"一緒じゃないのに
それでもみんなそれぞれに
心のどこかで「一緒」を探してる。
本当なら汚れの絶えないところだとしても
掃除をしてくれる人がいる間は
みんながみんなを忘れられないでいるのだと思う。
だから句読点も、僕も、あの人もみんな
みんな「みんな」から
帰ってくることとは反対のことをするようになっていて
そうしたら今度はもう一度また
"そこ"へ帰ってくるようなことをするのだと思う。