武者返し
朝焼彩茜色

パステルな気分はなく
ドット模様で 毬つき

あんたがた どこさ
肥後 熊本

武者返しに反る
軟体の背筋凍る
手裏剣も跳ね返る
 神経を磨いでおくんだな

急がば回れと石垣のパズルの答え
あと一つでビンゴの木から落ちる

 赤い火の国

情熱をたぶらかせる
わびさびのパンチの効いた
人と人との距離感
小さく前に習う距離感

 土足で入る者は武者に返される
無口に寂びれ焦るなく
指南の域に至る

誇りこだわり
もっこすに荒れ狂う馬に跨りながら
流鏑馬の最中 褪せりを越えた光の線が浮き彫りに描く
的を当てるしか

武者は返せまい

手の抜いた墨汁が薄暗く空を染める頃
カラスの智慧が多馬力で 跨る者を探す

そんな空に映える
満月の天下を取った
武者返しの上に抜かりない墨汁を塗った城

建てる男の本性を知った
よかおなごの様 武者返し


パステルな気分はなく
ドット模様で 毬つき

ぎゃんぎゃん鳴らす毬の音

あんたがた どこさ
肥後 熊本

びゃんびゃん飛ばす
されど あと一つでビンゴの木から落とされる

武者返し

赤い 火の国


自由詩 武者返し Copyright 朝焼彩茜色 2012-05-25 10:25:52
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