Agua De Beber *朝の恋人たち*
南 さやか

そこから先へ行っては行けない… という
暗示のように 朝の光が矢を放つ

冷たい水を両手にすくって流し込む
目醒めたばかりのあなたのくちびるに
夢の残像が立ち昇り
私は思わず虹を渡って 昨日を取り戻しに行く

だけど
あの瞬間の二人はもう どこにもいない

朝日とともに消えた楽園
残骸みたいに散らばる
カルナヴァルの余韻

かすかにうごめく 太古のリズム


違うあなたと もう一人の私が
朝の仮面の向こう側に

互いの泉を探りあっている



自由詩 Agua De Beber *朝の恋人たち* Copyright 南 さやか 2012-05-25 09:48:28
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