僕のマスターベーション5
花形新次

この間、NHKスペシャルの再放送見たの、ポアンカレ予想って数学の難問を証明したロシアの数学者のドキュメンタリー。
フィールズ賞って数学でいうところのノーベル賞を受賞したのに、そんなもん要らないって辞退して、その後行方をくらまして、今は何してんだか分かんないグレゴリー・ぺレルマンって人のお話。
ポアンカレ予想については、話すつもりも話す能力もないんだけど、その番組の中で、ちょっと気になったシーンがあってね。
学生時代のペレルマンを指導した教授のインタビューで、教授が論文(ポアンカレ予想とは関係ない)を見て、もっと言葉を足して説明したほうがいいとアドバイスしたら、「どこにどんな言葉を足せば良いのか具体的に教えてください。」と憮然とした表情で反論されたって。そのとき、映画「アマデウス」のモーツァルトが、自分の曲について皇帝に「音が多すぎる。」っていい加減なアドバイスをされて、「どの音が余分なのか教えてください。」とキレたのを思い出したって。ぺレルマンもモーツァルトも、自分の作品には無駄なところは無いんだ、完璧なものなんだっていうさ、天才って似たとこがあるねっていう話なんだけど。
そんでね、えーっと何が言いたいんだっけか。
そうそう、詩っつうのは、言葉の芸術って言うからには、やっぱ使う一言一言にさ、無駄があっちゃいけないんだってことね。他の言葉に置き換え可能だったり、足りなかったり、無くても良かったりしたら、駄目なんだよね。
俺なんて空っぽだから、よく考えりゃ2、3行で言い足りることしかないのにさ、それを継ぎ足し継ぎ足しして、結局は同じゴミなんだけれど、量が増した分だけもっと人様に迷惑を掛けてるっていうか、エコエコじゃないなっていうか。
とっても反省したのね。
だから、ゴミは最小限にして地球にやさしくしましょうね、これから気をつけますって、おまえも気をつけろ!


散文(批評随筆小説等) 僕のマスターベーション5 Copyright 花形新次 2012-05-24 15:47:44
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