少数がきこえる
きみのてを

「みんなしている」
「誰もが思っている」

それはほんと?
聞くたびに感じる違和感

誰が確認して「みんな」「誰も」と言い切っているのか
多数が存在しているからといって
少数をなくしてもいいだろうと
きこえるのは私だけだろうか

確かに多数は大きい
少数は多数によって見えなくなってしまうだろう
だけれどそれでいいのだろうか

否定された少数は
どこを彷徨い歩けばいいのだろうか

言葉の選択は人の自由だ
それはわかっている
私もその言葉を使わないわけではない
少数を否定しないことがないわけではない

だけれど
だけれど
どこかで少数が叫んでいる気がして
「みんな」や「誰も」の中に入れていない人がいる気がして
私は今日も
そんな言葉に耳を傾けては
心の首をかしげている




自由詩 少数がきこえる Copyright きみのてを 2012-05-24 13:20:34
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