Sixth Sense
南 さやか
もう 何年間 こうして二人は
逢瀬を続けているだろう
光の中 かすかなシルエットを逃さぬように
第三の眼を開く
言葉より温もりよりも たしかな記憶が
二人を包み込んで行く
それは未来から届く手紙のように
別世界の野辺に咲く 花の匂いを連れて来る
聖書から逃れた精霊の言葉を
あなたが口ずさむ時
私たちの礼拝はふたたび 始まる
第二の心が満たされて
本当の私は涙する
あんなに愛し合っていたのに なぜ…
かなしみが打ち寄せる夕暮れの森で
私は
あなたに呼ばれ あなたを見失う