塗り潰しそうな空の日
マーブル


眼鏡の奥でながれた涙 
ワイパーで弾かれた雨の粒 
砂漠に咲く花 
とどきそうでとどかないキャラバン
真っ黒に染めた羽根 
低い位置で飛んでいる鳥の角度

あのトンネルを潜れば吹いてきてくれる風になまえをつけてやる

僕の昨日がしんでしまって
あらいながされる泡が
排水溝で明日が混じる
とどきそうなところまで伸ばした
掌が無力に思えても
ぬるく流れめぐっていく雲のかたち

あのトンネルを潜れば吹いてきてくれる風になまえをつけてやる


塗り潰しそうな空の日に出くわした時に
うたううた






自由詩 塗り潰しそうな空の日 Copyright マーブル 2012-05-23 11:39:41
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