通夜3
……とある蛙
寒気のする空気を切り裂く
垂直のシルクスクリーンの像
空間と平面の狭間に
ポツンと取り残された縁
アブダビの呪文に囚われた
寒冷砂漠の隊商を
砂の丘から望む
深い藍色の地溝に
蠢いている過去の出会い
知り合い 別れ
皆 葬儀に参加した者達の
写真が貼り付けられた砂の断崖
さらさらとした絶望が
知り合いの像の微笑みを誘う
乳白色の明日が
砂に埋もれて叫んでいる
もうそろそろ極寒の夕暮れだ
帰れる場所を探さねば
自由詩
通夜3
Copyright
……とある蛙
2012-05-19 12:34:58
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