もげる身体
灰泥軽茶

もげそうになった

私の身体の一部は

かさかさの瘡蓋で覆われていた

滲む体液が乾燥して

指でなぞると

疼き蠢き熱を帯びているが

やがてだんだん鼓動が波のように去っていき

同時に乾き

しわしわになった

身体の一部は空白を脈打ち

ポトリと地面に落ち

もとから何もなかったように消え

私も忘れていく






自由詩 もげる身体 Copyright 灰泥軽茶 2012-05-19 01:52:26
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