首里城
朝焼彩茜色

黒髪を結わえる髷
高貴色の紫を額に巻きつけから結び

熨斗と呼ばれる 金と銀の不死鳥の爪
こめかみまで 桃色を入れる刺青

真紅にぼかしの効かない 凛々しく黙る口元

 三途の川まで流れる
 エイサーの太鼓の根から うねる精神の音
 パーランクーと呼ばれる 小さな太鼓は 木霊を促し
 三途の川の架け橋となる

 指笛が汽笛を鳴らす

 琉球緑鳩が鷹の様に 低空飛行で礼儀を重んじる守礼門をくぐる
  その様は
 永遠に直線の軌道に乗る 天空へ務め上げる沁みゆく舞い

 デイゴの花が咲き乱れれば
 大きな嵐が来るという 言い伝え
 科学の味を塗り替える 真実


 目には目では絶対に返さない政治に
 歯が立たない剣に沁みた憂いは 海へ返す 白い砂浜さえ海へ連れてゆく

   曙と暁を持つ首里城の燃え上がる情熱は
   心のすぐ隣にある 平和にそそがれる

   欲泣き平らに願う

 古から魂を拾い続けた祖先たち
 古より あの世からもエイサーの太鼓の音が
 マングローブの足を歩かせてくる
  海の上でも根を張って 生かせようと 命を持たせる

 紅型の収めた ぼかしの効かない鮮やかな命の数の色彩
 境界線はぼかし去る

 融通を聴き 掬い取り 不死鳥の爪はそれを掴み
 切り取らない ゆいを結う

黒髪の髷に結いを込める
椿油でしかりと 艶に募る想い

   心のすぐそばにある 平和へそそがれる
   曙と暁を持つ首里城から望む


自由詩 首里城 Copyright 朝焼彩茜色 2012-05-18 10:43:54
notebook Home 戻る