光源Ⅱ
マーブル



削り落っことした青いひかりの先を歩いていた
背筋をぴんと伸ばした野良猫も野良犬もみんな連れてってさ
錆びた戦闘機からマーガレットが咲いているのを見たのさ
そよ風に誘われるがまま泪はいつかイルカになって飛び跳ね遊ぶんだよってね
ドレミしか唄えない少女がはにかんでいたよ
がらすのりんごのうえに腰掛けて
ぼくはシャボンの絢爛と割れて笑い飛んで消えた誰かの夢を
智慧の輪みたいに繋げることにしたんだ
みんなついておいでってさ

そのとき
ゼロとゼロの間を太陽と月がキスしていたってね
本当の話なんだ
追い風に押されながら
かろやかになる足どりを楽しんでいたからさ
季節はずれの桜吹雪のなかだった
流れ去るネオンもスピードに乗ってほうら赤黄緑青白みんな
眩しく色とりどりの箒星になって僕らに手を振ってくれるんだ


光源に入り込んだ
世界は散らばった硝子の破片みたくきらきらしているんだって
あのこは破壊した懐抱のスノードームのなかで祈っているのさ
光のなかへ光りの奥へ光りの先へ光りのなかで光りの先へ
なぞるようにその先へ行こうとしたんだってさ
目つきは尖っていたけれど心はやわな羽毛みたいになってね
ビスケットを半分こして小雨やみずたまりになったこころで
耳を欹てて静かにしていたんだずっとずっと



自由詩 光源Ⅱ Copyright マーブル 2012-05-17 21:26:13
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