【 湖都 】
泡沫恋歌

きらぎらしく耀へる湖面 滑る浮き舟
流れのまにまに 身を任せて
絡む水草を 押し分け行けば
彼方に見ゆるは 安土城

いにしえの戦さに 敗れし武士もののふ
御霊眠れる 古戦場
今や訪るる人とてなく 時経ち忘れられ
夏草茂れば うら哀し 賤ヶ岳しずがだけ

群青の湖面に浮かぶ 帆船一艘
陽の光を浴びて さざ波ゆれたり
追い風うけ帆を張れば いざ前進
心地よき風 頬撫でらるる 浮御堂




                 琵琶湖の畔にある浮き御堂


自由詩 【 湖都 】 Copyright 泡沫恋歌 2012-05-17 07:43:21
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