火傷
nonya
アチッ
二日酔いの朝
朝靄に包まれた意識の森で
突然発火するのは
昨夜の記憶の欠片
アチッ
酔いにまかせて
自分のてのひらとあしうらに
醜く刻まれた皺を
語ってしまった熱過ぎる
後悔
自分が背負っているものを
すべて地べたに下ろして
店開きしてしまいそうになる
酔っぱらい
たまにリュックの結び目を
これ見よがしに緩めて
中身を匂わせてやりたくなる
意気地なし
うすっぺらな臆病者が
いっちょまえに酔っぱらって
芥のような言葉を散らかしては
あとで想い出して
アチッ
火傷
痕が残らない火傷
たちまち忘れてしまう火傷だから
性懲りもない
自分
嫌っても仕方がないから
思い切り顔をそむけながら
嫌々抱きしめてやるしかない