わたしたちは・・・
草野大悟
ぱたぱた ぱたぱた
ぱたぱた ぱたぱた
ぱたぱた ぱたぱた
ぱたぱた ぱたぱた
ぱた ぱた ぱた
蝶 超
ミストの
ただよう樹海で
あなたは とおい海を とおい風を おもうのだろうか
ひまわりのころ
あなたは とおい とおい 記憶を 書きつづっていたのだろうか
ひまわりのころ
あなたは 冴えない男に恋文を 息はずませて 投函した のだ
という でも 冴えない男は 返事すらよこさず あなたは
失恋という 理解できない現実をつきつけられ た らしい
ばかだね
そいつ
そいつは
大学生になって
やっと
あなたの すてき に気づいて
手紙を書いてきたけれど
あなたは
センタクをした 彼と俺を
超
蝶
なんにもないだろう蝶や蝶は
やはり
青空をさがして
きょうも
病棟の夢をさがすのだろうが
夢は年々やせ細っていることに
私たちは十分気づいている し それが これ以上の
夢を産まないことも 知っている
明日からの
風は
昨日までの
風と
はげしくぶつかり合い
渦巻いて
今日という日を創っているのだけれど
わたしたちは・・・