雨降りの街
吉岡ペペロ

雨降りの夜の街が黒かった

フロントガラスに霧吹きのような水滴

人間界を代表して愛されたこと

たぶん得意げで凛々しかった頃

ワイパーでいっぺんに消えてしまった

雨降りの街が騒がしかった


びりびりと震えながら祈った

誰も知らないところで

誰にも気づかれず咲く花になろう

私はそのようなものに

なりたくてなった結晶なのだ


雨降りの夜の街が黒かった

フロントガラスに霧吹きのような水滴

人間界を代表して愛されたこと

たぶん得意げで凛々しかった頃

ワイパーでいっぺんに消えてしまった

雨降りの街が騒がしかった









自由詩 雨降りの街 Copyright 吉岡ペペロ 2012-05-15 23:58:04
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