お化け屋敷
殿岡秀秋

仕掛けではなくて
普通のオフィスである
優しい表情でいた男が
背中を向けて振返ると
窓の方を向いて
皮膚が蒼白くなり
眼が鋭く光る
その顔を見た途端に
心臓に短刀が刺さる
逃げ出しても
次の部屋には
落とし穴が待つ
底に落ちたぼくを笑う
男達の水玉のネクタイ



自由詩 お化け屋敷 Copyright 殿岡秀秋 2012-05-15 07:12:49
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