すいか(習作)
月見里司
たいようの直下で
あおあおとした稲妻を注ぐ空を見た
母が困り顔のまま少し笑う
午後二時の積乱雲
影が濃度を増して
昼間の星が透けて見える
どこへも行かれなかった星座の線のような
稲妻だけがぽつぽつと走り
知らない虫の鳴くしげみに
怯えを隠しながら
包丁を手にとってもう一度
もう一度と緯度を刻んで
種のかたまりを注意深く避けるように
そこに島はないと確かめるように
さざなみと直交するのは
東西を分けるながいながい飛行機雲
よしずの陰には白い絵皿
//2012年5月14日
自由詩
すいか(習作)
Copyright
月見里司
2012-05-15 00:47:42
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