オーラル
たもつ

 
 
ぬかるんだバス停で
いやらしい下半身を
露出した時計
ポピーの花束を持って
佇んでいる
金属製のモノを
口に含むと
すぐに射精し
その異物を手に吐き出せば
様々な言語の断片で
悩んだ跡が
それなりに散見された
果てた時計は
ぐなぐなになり
むしろ
ゴム製のようにも見えたが
曖昧に干からびてのち
植物の茎などとも
見分けがつかなくなった



自由詩 オーラル Copyright たもつ 2012-05-14 19:11:30
notebook Home 戻る