嘘つきの宇宙
モリー

ベッドの上に宇宙を広げる
彼との間に導線をひき
私は今を塗り替えた

暖かい闇に包まれる
どこかで唸る救急車も
私だけは、ほっといてくれた

難解なテレパシーで
彼は私に詩をくれる
 北極星に夢を乗せよう
 アンドロメダは泣いた昨日
 地球は僕らの明日―

嘘を見破ったあと私は
もっと優しい嘘をつく
 多分、その星こそ太陽だ

導線は健在
きっとこれから何十年も
虚言を孕んで、膨らんで
私たちは大人になっていく


自由詩 嘘つきの宇宙 Copyright モリー 2012-05-14 03:01:46
notebook Home 戻る