圧縮軍

ものもらいの点線、根性焼きの冷たさ、長い水飛沫、

乾いた。鉛筆の色を思い出した。いくつもの冥々はバスタブの中だった。

地面は薄い膜に覆われていた。背理覚えたてのプリーツのマシンガンの掘削で縮む。
セメントを固めていつかに備えるために遺灰をまぶしていた。モガリは長くて夜が明けても終わらない。
遅れすぎた野辺送りの群れが手当たり次第に圧縮を繰り返している。
やつらは、バスタブを持ち上げて、その中に埋まっている吸殻を吸っている。ブードゥーの呪文の書き込まれた古く安っぽい雑誌の切れ端だった。
白く濁った爪先が見えたかと想うとすぐに引っ込めてしまった。地面にスコップの突き刺さったのが燃えている。
電線が崩れ落ちて針鼠の毛の抜けていく音がした。

灰汁の海が広がった。弱った飴玉の舌の上で死んでいくのがわかった。
いつしかそれは小さい堕胎児だったと気づいた。口から手をはみ出させている。
咀嚼は行いたくなかった。死を噛み締めると苦かった。


自由詩 圧縮軍 Copyright  2012-05-13 23:49:47
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