【否】
HAL

確かに歳はとったよ
正直に言うなら老いたのかも知れない
からだは正直に歳月を投影する

そりゃ60年も酷使してきたんだ
無理をすれば音も挙げる
死にかけたことだってある

でもぼくの精神はまだ熟成の途中
老いてはいないしむしろ未熟とすら想っている
知悉のための糊代はいまも充分に持っている

それを埋めていくために
ぼくは渾身の力で生きて行く
年齢なんて受け入れてたまるものかと
     
自分の精神に鞭打って
ぼくは諦めることなく自分の途を行く
一歩一歩 大地を自分の足で踏みしめてね

もしそのぼくの生き方に対して
きみは年齢を受け入れないのかと
問われればぼくは自信を持って言う

ぼくは年齢を受け入れはしないと
明確に誰に何と言われようとも
年齢を受け入れることに【否】と告げる


自由詩 【否】 Copyright HAL 2012-05-13 22:09:05
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